6 訴訟手続き
労働審判による結果に対し、相手側から異議が出た場合や(全体の2割
位)労働審判で解決できない場合や訴訟手続きによる解決方法が良い場
合は訴訟手続きを行います。
付加金について
労働基準法114条は、労働者の請求があった場合に裁判所は使用者
(会社)に下記に記載の未払い賃金と同一の金額を支払うように命じる
ことができると定められています。
1 解雇予告する際に30日前に予告しない場合は30日分の平均賃金を支
払わなければならない その賃金
2 使用者の責による休業の場合は平均賃金の60/100の賃金を支払わなけ
ればならない その賃金
3 時間外、休日、深夜の割増賃金(残業代)
4 有給休暇にしはらわれるべき賃金
そしてこの請求することが出来る期間は違反のあったとき(支払いをしな
かったときから)から2年以内と定められています。
通常、付加金は労働基準法で裁判所が命じることができると定められてい
るだけで労働審判で命じることができる(若しくはできない)旨の規定はあり
ません。
東京地方裁判所では労働審判では付加金を命じることができないとされて
いるようです。
{根拠は、労働審判では労働審判委員会が審判を決定するので、裁判官で
はない(=裁判所でない)とされているようです。}
付加金は2年の期間制限があり、これは時効期間ではなく、除斥期間であ
り、中断と言う概念がありません(中断が出来ない)
民法の消滅時効制度改正に伴い労働基準法での消滅時効に関する規定
も改正されました。
付加金請求権の消滅時効期間は2年から5年に改正されました。
(労働基準法115条)詳しくは「新労働基準法・消滅時効」をご覧ください。
消滅時効について詳しくは「残業代・賃金の消滅時効
」をご覧ください。
除斥期間とは
法律上の権利を確定させる為に一定の期間が経過することにより権利が消滅する制度
消滅時効と異なり、中断や停止が無く、権利発生時から期間が進行し、当事者が援用
しなくても裁判所の判断によって権利の確定が出来る。
労働審判後に訴訟提起した場合にもうすでに(違反のあったときから)2年
が経過してしまっていたら、請求することは出来ません。
労働審判後の訴訟への移行は労働審判申立時に付加金の請求をするこ
と(により付加金が2年の期間経過により請求できなくなることを防げます)
について東京地裁は認める運用をしているようです
(労働審判では付加金を命じる事はありません:東京地裁運用)
付加金について詳しくは「付加金
」をご覧下さい。
定期的な給与以外の賃金・各種手当てについて
給料以外の賃金や手当てや算定方法について、
詳しくはそれぞれ下記をご覧下さい。
有給休暇期間の賃金について詳しくは
「有給休暇」「有給休暇賃金
の算定方法」をご覧下さい。
解雇予告手当て
休業手当について詳しくは
「休業命令」「休業命令U」
「休業手当の算定方法」をご覧下さい。
時間外手当て(残業手当)について詳しくは
「残業代請求」「残業代の計算」をご覧下さい。
賃金・各種手当ての遅延損害金・付加金の適用・消滅時効
については
「遅延損害金一覧表」をご覧下さい。
遅延損害金については「遅延損害金
」をご覧下さい
未払い給与/退職金Q&A
この場合、給与はどうなりますか?
1、労働時間に算入されるのかそうでないのか?
うちの会社は業務の開始前や終了後にミーティングがあり、強制参加
なんです。
「ミーティングは業務じゃないから時間外手当ては出ない」と言われました。
これって許されるんですか?
労働問題Q&A 8
をご覧ください。
2、給与・退職金の時効
未払いの残業代や給与について時効はあるのですか?
労働問題Q&A 9
をご覧ください。
3、給与の請求上限
未払い残業代や給与は何年分まで請求できるのですか?
労働問題Q&A 10
をご覧ください。
4、派遣社員の請求先
派遣社員なのですが、派遣先会社とのトラブルはどうなるのですか?
労働問題Q&A 11
をご覧ください。
5、未払い給与/退職金の利息請求
未払い給与や未払い残業代を請求するに当たって(支払われるまで)
利息も請求できますか?
労働問題Q&A 12
をご覧ください。
上記以外の労働問題の疑問や質問について多数のQ&Aの掲載をしています。
労働問題Q&A
をご覧ください